女性に騙された話

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小学校の頃、可愛い同級生の女性がいた。
いま考えると、可愛いというよりも、男心をわかっている女性で、わたしはその女性と関わっていると、いつも楽しくて高揚して調子に乗ってはしゃいでいた。
手のひらで踊らされていたのである。

ある日、夕方の掃除の時間、体育館の裏にある竹藪をみんなで掃除しているとき、わたしはその箒で魔女のような仕草を見せたり、空を飛ぶような試みをしたり、その女性に好意を抱いていただこうという気がほとばしって手がつけられなくなっていた。

そうするうちに、どこからかパッと目をふさがれた。

「だ〜れだ」という声が聞こえる。
その女性の声だ。

誰だじゃない、あなたではないかと思う。

心臓の鼓動は高まり、口元はそこはかとなく緩んだ。

期待を高め、「◯◯ちゃ〜ん」と後ろを振り向くと、
そこにいたのは教頭先生だった。

わたしは騙されたのである。