Vol.5 ラピュタ阿佐ヶ谷編
ラピュタ阿佐ヶ谷へ
「名画座」とは、いったいどんな場所なのだろうか……?
案内人は、のむみちさん。名画座の上映案内フリーペーパー『名画座かんぺ』を発行している、いわば今の名画座を知り尽くした方だ。
同行するのは、漫画『とんかつDJアゲ太郎』の原案を手がけるイーピャオさん。
ふたりで都内主要5館の名画座を1日で行脚、名画座の魅力に迫る!!
ようやく食事をとることができた都内主要名画座5館ツアーの一行は、山手線で新宿、乗り換えて総武線でラピュタ阿佐ヶ谷のある阿佐ヶ谷駅へと向かった!

そもそも、そのお面なんなの?
もちろん「イーピャオ」の「イ」なんですけど、この文字は日本のテレビの実験放送で最初に映ったカタカナの「イ」をトレースしたんです。駅のホームでつけるのは初めてですけど…
到着
阿佐ヶ谷、街の雰囲気が好きなんですよ。
いいよね、阿佐ヶ谷、飲み屋も多いしさ。あ、着いたよ!見てこの外観。可愛いでしょ~!
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
アッ!ちょうど『喜劇とんかつ一代』が流されてるんですね…!!『とんかつDJアゲ太郎』の着想のうちの一つが、このラピュタ阿佐ヶ谷で見た『喜劇とんかつ一代』だったんですよ。
そうみたいですね〜知らなかったです。ちょうど、とんかつのディスプレイが最高潮になっているので、今日来ていただけてよかったです。奇跡かと思いました。
嬉しいっス!
ご飯、味噌汁まで…定食ができてるじゃないですか……!
ハハハ!ソースもたれてる(笑)。
これはかっぱ橋で買ったんですよ。キャベツが紙なのが残念なのですが……。

このショーケースの中は、今日みたいに特集にちなんだ小道具が飾られてたり、貴重な台本なんかが並べられてたりするの。

館内の説明
ここも会員制の名画座で、あっという間にスタンプが貯まるんだよね。それで、1回分の招待券がもらえる。
なるほど。シネマヴェーラはコンクリートのスタイリッシュな建物でしたが、こちらの館内は木のぬくもりがありますね。名画座の作りもいろいろだな…
階段は線路の枕木を使ってるみたいなんです。ボロボロに朽ちたのは変えちゃったんですが。
こう見ると枕木って太いんですね……。
早めに来てゆっくりするものアリですよね。
けっこう静かなステキな空間だから、上映のあいだでも人がいたりするんだよ。セルフサービスでコーヒーや紅茶も飲めるし。(1杯200円)
……あとね、トイレがすごい。
鎖を引いて流す式のトイレなんですよね……!
水をためてるトコが落ちてきそうで怖いよね(笑)。あと、ここね。神保町みたいに壁に特集にあわせた掲示があるの。
デザインも考えられていますね。あっ!吹き出しが立体的に見えるように、スチロールを挟んでいるあたりが芸が細かいですね。
アッハッハ!ホントだ。あと、しれっと映写技師の方の写真が入ってたり。
『喜劇とんかつ一代』はポスターのバリエーションが多いんですよね。
映画のポスターにはいろんな判型があるんだよ。この縦長のやつは「立看ポスター」って呼ばれてるタイプだよ。
ここが書籍のコーナー。『BOOK5』や『名画座手帳』も販売してて。
あと、プロマイドね。ここを毎回楽しみにしてる人も多いんだけど、特集ごとに人を入れかえるの。いまはフランキー特集だから、フランキーの映画に出てる役者さん……新珠三千代とか、そういうラインナップになってる。
山茶花究のプロマイドもあるんですね……!
今流れてるBGMも、特集にあわせてセレクトしてるの。
そうそう。BGMといえば、俳優であり歌手である柳澤愼一さんの生CMが流れてた特集もあってね。素晴らしい声で作品の予告が流れるんだよ。何て贅沢なんだろうって!
あとは、新文芸坐さんと同じで、壁には今週やる作品を貼り出してる。
ここには新聞に載ってる旧作邦画系ネタの記事を掲示していて。
アンテナがすごいんですね……!
ここはチラシコーナー。
「名画座かんぺ」も置いてありますね……!
ありがとね★
アッ!このユジク阿佐ヶ谷は、ラピュタの系列館ですよね。リーフレットのデザインは『とんかつDJアゲ太郎』の装丁をしている宮崎希沙さんが手がけてるんですよ。
へ〜そうなんだ!オシャレじゃん!
番組編成
ラピュタ阿佐ヶ谷さんの番組編成はどういった特色があるんですか?
モーニングショーと、レイトショーと、メインプログラムとでやっていて。朝は女優特集が多いかな。レイトはエログロ系が多いかも。各名画座で番組に特色があるけど、ラピュタはいちばん変わってると思う。レアなやつはもちろんだけど、当たりハズレは別として、劇場のサイズが小さいから、大きいところではかけづらい作品を上映してる。
へえ〜。
もう100%邦画に特化してるね。
あと、トークショーがすごく近くで見られるから、ファンとしては嬉しいよ。香川京子とか並ぶんだろうな〜。
私は、入ってすぐの後ろの3席のところが好きで、いつもそこ。

そこ派の人いるよね。私は最前列。
真逆ですね……!
付き合えないね(笑)。
あと、ラピュタは名画座の中でも特にチラシのデザインがオシャレなんだよね。
カッコイイですよね……!
チケットも、何種類もつくったりしてて。詳しくは『BOOK5』の14号で特集したらか見てみて。
ラピュタはメルマガも出していて。けっこう面白い。石井支配人はすっごいしっかりしてらっしゃるんだけど、けっこう天然キャラなところもあったり。そのギャップにみんな萌えてんの(笑)。
発信する名画座、素敵じゃないですか。それはぜひ購読してみたくなりますね…!

取材を終えて
お疲れ様でした!こんなに疲れるとは思ってなかったです。……イーピャオさん、大丈夫ですか?
大丈夫です。健脚がウリなので…!
ラピュタが終わったら、何処行くんですか?
うちらはね、居酒屋の四文屋(しもんや)に行くことが多いかな。安いし。
やきとん屋さんですね…!
私もやきとん好きなんですよ。行きましょうか……!
構成:トマソン社
登場人物

のむみち
1976年宮崎県生まれ。池袋古書往来座店員。
2009年に旧作邦画に目覚め、名画座と出会う。
2012年にひと月の都内名画座スケジュールを一覧表にしたフリーペーパー「名画座かんぺ」を創刊。
2016年に5年目を迎えた。

イーピャオ
東京都出身。ジャンプ+にて連載中の漫画『とんかつDJアゲ太郎』原案担当。
普段は会社員。